2014年9月に噴火した御嶽山腹にある御岳ロープウェイ(木曽郡木曽町)が29日に今季の運行を始めるのを前に、木曽町の運営会社アスモグループは27日、山麓側の鹿ノ瀬駅近くで安全祈願祭を開き、安全を願った。噴火を想定した避難訓練なども実施。地元関係者は、噴火災害からの復興や町の活気につなげるため、「前を向いていくしかない」と誓った。
安全祈願祭には、同社や町、観光業者ら約40人が出席。犠牲者への黙とうなどの後、山に向かって参加者が順番に花を手向けた。同社の今孝志社長(62)は「噴火災害に続き、運営するスキー場も雪不足で打撃を受けた。無力さも感じるが、今の資源の中で頑張っていくしかない」とあいさつ。原久仁男町長も「町にとっても復興に向けた正念場の年なので、力を合わせたい」と述べた。
噴火を想定した訓練では、サイレンで噴火を一帯に知らせた後、山頂側の飯森高原駅から利用者役がロープウエーで下りた。鹿ノ瀬駅では、新たに作った避難者カードを使って住所、氏名を尋ね、けがの有無も調べた。ロープウエーの停止を想定した訓練や、消火訓練もあった。
町は同日、御岳ロープウェイに通じる三つの町道の冬季通行止めを解除し、黒沢口登山道6合目からの散策も可能になった。7合目近くより上はまだ雪が残っている。
29日は午前8時10分に黙とうをささげ、団結の意味を込めて集まった人たちでテープをつなぐ催しをする。献花台も設け、8時半にロープウエーの運行を始める。