上田城跡公園にある県宝の「西櫓」=13日

上田城跡公園にある県宝の「西櫓」=13日

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上田城「西櫓」の年代裏付け 「真柱」ほぼ400年以上前

信濃毎日新聞(2016年12月14日)

 上田市の上田城跡公園にある県宝「西櫓(やぐら)」を中央で支える真柱(しんばしら)が15世紀半ばから17世紀前半までに伐採されたケヤキであることが13日、分かった。市教育委員会が調査会社に依頼した放射性炭素年代測定で特定。櫓は1626(寛永3)〜28年、上田城主仙石忠政が建築した当時の状態をほぼ残しているとされてきたことが、科学的に裏付けられた。市教委は今後、重要文化財指定を目指す方針だ。

 13日に市内で開いた史跡上田城跡整備実施計画検討委員会(委員長・渡辺定夫東京大名誉教授)で報告した。市教委などによると、1583(天正11)年に真田昌幸によって築城が始まった上田城は、関ケ原の戦い(1600年)後に破壊された。昌幸の長男・信之が松代藩に転出した後、上田城主となった仙石忠政は寛永3年に復興工事に着手。櫓などを再建した。

 本丸には7棟の櫓があったことが分かっているが、現存するのは西、北、南櫓の3棟だけ。うち北、南櫓は明治初期に民間に払い下げられ、市内に移築されたものを買い戻し、1943(昭和18)〜49年に現在の場所に復元した。西櫓は移築されることなく残る唯一の櫓で、3棟は59年に県宝に指定された。

 調査は県外の調査会社に依頼し、9月末に開始。真柱の床下部分から1センチ角の木片を採取して調べた。来年1月末に最終結果が出る予定で、市教委は建築様式や図面などの資料も合わせて年度内に報告書をまとめるという。

 検討委の委員の1人、三浦正幸・広島大大学院教授(文化財学)は西櫓について「一般的な二重櫓としては大きく、珍しい構造」と指摘。「国内に残る重要文化財の櫓と比較しても極めて古い。重文になる可能性は十分ある」と話している。

 西櫓はNHK大河ドラマ「真田丸」の放送に合わせ、来年1月15日まで内部を公開している。

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