長野市元善町の善光寺宿坊「玉照院」で14日、書き初め会があった。北信を中心に15人が参加し、大広間の床に置かれた一畳ほどの大きな画仙紙に向かって「やあっ」「えいっ」と気合を入れて筆を運んだ。
パソコンやタブレット端末の普及で筆を持つ機会が減る中、書き初めを通して新たな気持ちで1年を過ごしてもらおうと、昨年に続いて企画。講師を務めた「詩書家」の伊藤倫さん(39)=長野市=が「(文字の)横棒一本がなくても良いですよ」などと型にとらわれずに書くように勧めた。参加者は画仙紙に向かい「進」「素」などの文字を大きな筆で一気に書き上げた。
それぞれの字に込めた思いも発表。小諸市の公務員小林秀行さん(42)は「希」を選び、「日々仕事に追われているけれど、『希(のぞみ)』に向かって何事も考えながら1年間を過ごしたい」と話していた。