今月18日に全国2番目となる氷点下20・8度の最低気温を記録するなど、厳しい寒さが続く上田市菅平高原。冬の大自然にはこの時季ならではの美しい景色が広がっている。雪に覆われた高原を26、28日の2度にわたり訪ねた。
26日午前、晴れ上がった奥ダボススノーパーク。雪上車に乗り、根子岳(2207メートル)の山頂に登っていくと「スノーモンスター」と呼ばれる樹氷が現れた。雪が降り、霧が出るたびに成長していくといい、「今の大きさは3分の2くらい。まだ大きくなるよ」と男性ガイドは話した。
山頂から周囲を見渡すと、須坂市側の山肌にびっしりと立ち並ぶ樹氷群が目に入った。まさに「雪の怪物」。訪れた人たちは、自然がつくり出す雄大な光景を息をのんで見詰めた。
28日午前に筑波大菅平高原実験センターを訪れると、約35ヘクタールの広大な敷地内にはさまざまな自然の営みがあった。表面が凍り付く「大明神の滝」は、厳寒期の風物詩。雪原に餌を探すリスが現れ、キツネやテンの足跡が点々と続く。オニグルミの枝には葉が落ちた痕がくっくりと残り、まるで羊の顔のようだ。
冬の菅平高原は目を凝らせば凝らすほど、さまざまな表情が見えてくる。