「ATLAS」で試験的に捉えた9日朝のしらびそ高原の星空

「ATLAS」で試験的に捉えた9日朝のしらびそ高原の星空

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高感度カメラで星空配信 飯田・しらびそ高原に設置

信濃毎日新聞(2017年6月13日)

 多摩川精機(飯田市)は12日、自社製の高感度カメラシステム「ATLAS(アトラス)」による飯田市上村のしらびそ高原(標高約1900メートル)の星空のライブ映像配信を始めた。市教委が8月に同高原などを会場に開く「宇宙留学サマーキャンプ」の情報発信を狙った初の試み。カメラは道路監視などを目的に供給しているが、観光情報の発信など他分野への応用を進め、新たな需要を開拓する狙いもある。

 同社によると、ATLASは航空機や船舶向けの防振カメラ設備として開発。7年ほど前から、高速道路の交通監視や河川災害の監視向けに供給している。システムに目標物の位置情報を登録でき、旋回台により水平方向で360度と仰角が自動で切り替わる。無線LANによる遠隔操作も可能だ。

 しらびそ高原では、上村振興公社(飯田市)が営業する宿泊施設「ハイランドしらびそ」の敷地にカメラを設置。1分ごとに東西南北の方位、仰角が天頂方向へと切り替わる。24時間稼働で、日中は南アルプスの兎岳や聖岳、同市上村の「下栗の里」や北アルプスの方角など、撮影する地点が自動で切り替わる。天候や残雪の様子も確認できる。

 カメラの設置は、宇宙留学サマーキャンプに参加する小学生に事前に映像を楽しんでもらったり、雨天時には録画した映像を学習に活用したりしてもらおうと、同社が市教委に提案した。市教委の同キャンプのホームページから動画サイトにリンクしている。

 カメラシステムはオープン価格で、しらびそ高原に設置したモデルは約300万円から。本年度は観光利用向けに、県内では2台程度の販売を目指す。同社ATLAS事業部商品企画課の林治郎主務は「観光情報の発信に関しても需要を掘り起こしたい」としている。

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