下條村で、梅雨入り後の少雨でソバの花芽の生育や受粉への影響を心配する声が出ている。昨年は天候不順で夏秋合わせて大きく収量が落ち込んだ。栽培農家は「恵みの雨」に期待している。
15日は、同村睦沢の中原地区で直径数ミリの白い花を咲かせたソバ畑が一面に広がり、青空に映えた。地元農家の近藤三郎さん(68)によると、種をまいた5月上旬以降はまとまった雨が少なく、背丈は例年より低め。近藤さんは「あまり天気が続くと花芽が焼けてしまう。そろそろお湿りが欲しい」と空を見上げた。
村内では、約50ヘクタールで栽培され、夏と秋に収穫する二期作。村そば栽培生産者組合によると、昨年は夏、秋にそれぞれ生育不良や倒伏の被害があり、収量は前年比約6割減の8・8トンだった。組合長の清沢博さん(68)は「受粉の時季に雨が重なると、虫が飛ばないため実が付きにくい」と話していた。
長野地方気象台によると、今年の5月1日から6月中旬の飯田の降水量の合計は平年値の4割程度。来週前半までは高気圧に覆われやすく、おおむね晴れの予報だ。