20世紀を代表する芸術家パブロ・ピカソ(1881~1973年)の版画を集めた企画展「ピカソ フランス国立図書館版画コレクション」(福井県立美術館、福井新聞社、福井放送でつくる同展実行委員会主催)が7月14日、福井県福井市の同美術館で開幕した。初日から多くの人が来場し、ピカソの感性に訴える表現力や遊び心に富んだ線の美を堪能した。
1899年からの約70年間で2千点にも及ぶ版画を制作したピカソ。展覧会は同図書館が所蔵する銅版画や石版画、リノリウム版画の名品103点を並べ、過去の巨匠をライバル視する中で新たな作品を創造したピカソの着想源や作風の変遷をたどる。
「版画家ピカソの主題」「過去の巨匠たちへの賛辞」の2章構成。ピカソの歴代の恋人をモデルにした作品群や、レンブラントやクラーナハらのモチーフを引用し再構成した作品群を、9セクションに分けて紹介している。京都府から訪れた川本敏行さん(69)は「私たちとは全く異なる感性で人の内面を描いている。とても引き込まれた」と話していた。
8月26日まで(6日休館)。一般1200円、高校生700円、小中学生400円。歌川広重展(21日から福井市美術館)との一般共通券は2000円。