南木曽町田立地区で7日、五穀豊穣(ほうじょう)や家内安全を願う県無形民俗文化財の「花馬祭り」があった。写真愛好家らが見つめる中、稲穂を色紙でかたどった365本の飾りをそれぞれ付けた木曽馬3頭が、JR田立駅から五宮(いつみや)神社までの1キロ余を歩いた。
汗ばむ陽気の中、地元の若者や子どもたちによる笛や太鼓の音に合わせて氏子たちが歩き、同神社に到着してから境内を3周した。その後、太鼓の合図で詰め掛けた人たちが一斉に馬に駆け寄り、飾りを奪い合った。
次女と2人で伊那市から訪れた農業、田中桂子さん(76)はかつて木曽馬を飼っていたといい「懐かしくてかわいい」。飾りの奪い合いにも加わり、転倒しながらも飾りを取ることができ、「すごく楽しかった」と笑顔だった。