魯山人が手がけた織部焼の優品が並ぶ会場=福井県の福井市美術館

魯山人が手がけた織部焼の優品が並ぶ会場=福井県の福井市美術館

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北大路魯山人の作陶紹介 福井市美術館で企画展

福井新聞(2019年6月1日)

  書、篆刻(てんこく)、絵画など、あらゆる分野で才能を発揮した北大路魯山人(1883~1959年)。美食を芸術の域に高めるために、自ら作陶した器の魅力に迫る企画展(福井市美術館、福井新聞社でつくる同展実行委員会主催)が6月1日、福井県福井市の福井市美術館で開幕した。

 魯山人は40代のとき、東京・赤坂で会員制高級料亭「星岡茶寮(ほしがおかさりょう)」を主宰。しつらいから仲居の接客、衣装にまでこだわりぬいた夢の食空間で、最もこだわったのが自ら振る舞う料理を彩る器だった。収集した古陶磁では飽き足らず、北鎌倉に「星岡窯(せいこうよう)」を築いて本格的に作陶を始めた。

 没後60年の節目に開く企画展は、近年米国から里帰りした「カワシマ・コレクション」と、一部が使用され「用の美」としての経歴を持つ「笠間日動美術館コレクション」の計約100点からなる。

 中でもオリーブ色の釉(ゆう)が美しい織部焼は、花器や扇面鉢など17点を並べる。桃山から江戸初期の武将茶人古田織部の好みにちなむ美濃の茶陶、織部焼。昭和初期に志野、備前など桃山陶器を復興する試みが続く中で、織部に関しては魯山人以上の貢献者はいなかった。55年にはその功績で人間国宝の打診を受けたが、魯山人は辞退したとされる。

 7月7日まで。観覧料は一般1100円、高校・大学生800円、小中学生500円。問い合わせは福井市美術館=電話0776(33)2990。

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