「10月のひとひら桜」(手前右)など新作が並ぶ会場に立つ越さん

「10月のひとひら桜」(手前右)など新作が並ぶ会場に立つ越さん

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越ちひろさん、挑戦のアート 大規模個展

信濃毎日新聞(2019年8月31日)

 千曲市の画家越ちひろさん(39)が8〜10月に市内各地で開く作品展「ミライノ色 ミライノ光―まちじゅうが美術館」のメインとなる個展が、9月1日に市更埴文化会館で始まる。新作を中心に約40点を展示予定で、多くの布を縫い合わせた立体作品など新たな表現に挑戦。巨大なパネルに描く制作の過程も公開する。

 2016年に上田市で開催した「越ちひろ展ワンダーワンダー」以来の大規模な個展という。同展以降、華やかで癒やしがある作風に引かれた来場者から「越さんの絵の服を着てみたい」と感想が寄せられるようになり、布に絵をプリントすることを発案。こうした布を洋服の生地に使うブランドもつくった。

 今回の個展では、熊をモチーフにした高さ1・5メートルほどの立体作品「ワンダちゃん」を展示予定。絵柄の違う32枚の布を縫い合わせた。1・6メートル四方の油絵「10月のひとひら桜」は、友人が撮影したサクラの写真をモチーフに抽象画と具象画の要素を取り入れた新作だ。

 越さんは日頃、建設現場などで使われる足場を組んで大型の作品を描いており、会場にも足場を設置。一部の作品は足場の骨組みに掛けて展示する。「自分の制作空間に人を招き入れたら面白いのではないか」と考えたという。来場者を巻き込んだ作品を作りたいと、会場入り口にも足場を設け、来場者が色とりどりの紙で作ったひもを結べるようにした。

 個展は9月1日から29日まで。1日午後2時からは観客を前に即興で描くライブペインティングを行う。3日から28日までは縦2・7メートル、横8・1メートルのパネルで公開制作を行う。越さんは「作品が日々変化する。何度でも足を運んで楽しんでほしい」と話している。

 鑑賞には期間中何度も入場できる「展覧会パスポート」が必要。一般千円、大学生・高校生500円、小中学生200円。問い合わせはアートまちかど(電話026・272・4152)へ。

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