「JiNOMONO」の画面を表示したパソコンの前で語る酒井さん

「JiNOMONO」の画面を表示したパソコンの前で語る酒井さん

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良い「地の物」都内へ直送 長野の酒井さん専用サイトで事業開始

信濃毎日新聞(2019年9月25日)

 長野市信州新町の元会社員酒井慎平さん(30)が、地元の農家やジビエ(野生鳥獣肉)加工業者と都内の飲食店をつなぐ事業「JiNOMONO(ジノモノ)」を始めた。長野市西部と小川村にまたがる西山地区などの特産品を自作の専用ウェブサイトで紹介し、受注した飲食店へ食材を直送。小規模生産者の販路を広げ「担い手不足の解決にもつなげたい」と意気込んでいる。

 酒井さんは同市出身で、2012年に外食産業を専門とする都内の広告会社に入社。ウェブメディアの記者として外食業界の経営者インタビューなどを重ね、編集長も務めた。「インスタ映え」など見た目や話題性を重視する風潮の中で、生産者が食材の魅力を発信し切れていない―と感じるようになった。

 記者ではなく、事業者として活躍したいという意欲もあり、今年3月に長野市へUターン。西山地区産の「西山大豆」や、淡竹(はちく)など「地の物」を発信したいと事業を発案した。地元の地域おこし協力隊員として活動する傍ら、9月に事業を始めた。

 地元生産者や都内の飲食店へ足を延ばし、営業活動を展開。現在は長野市街地と都内の飲食店の数店が利用登録し、西山地区の10農家から野菜を買い、発送している。登録する生産者や店舗を増やしていく考えで「西山地区以外の特産品も発信し、生産者が誇りを持って仕事をできるような文化をつくりたい」と力を込めた。

 利用登録などの問い合わせは電子メール(info.jinomono@gmail.com)で。

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