戸隠神社奥社に続く戸隠道の奥社参道=29日、長野市

戸隠神社奥社に続く戸隠道の奥社参道=29日、長野市

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「歴史の道百選」新たに2カ所 長野県内計6カ所に

信濃毎日新聞(2019年10月30日)

 文化庁は29日、「歴史の道百選」に戸隠道(長野市)と北国脇往還(わきおうかん)(善光寺道、長野市〜塩尻市)を含む全国36カ所の古道などを新たに選んだ。1996年、歴史や文化を理解する上で重要な街道や水路を発信し、保存や活用に結び付けようと県関連4カ所を含む全国78カ所を選んでおり、県内は計6カ所となった。

 総数は114件に。同庁は「今後追加はない」としており、百選がようやく完成した。23年かかった理由について同庁は「96年時点では未調査の道が多くて選びきれなかった。その後、各地で調査が進んだ」としている。百選に入ると、道の補修や説明板設置を国が補助する。

 善光寺(長野市)から戸隠神社(同)を結ぶ戸隠道は、平安時代には修験道の行者が戸隠山への道として歩いたと伝わる。庶民にも信仰が広がり、神社方面につながる複数の道ができたとされる。

 戸隠観光協会は、戸隠道を歩くイベント開催や古道の地図作製を通じ、歴史を発信してきた。山口輝文(てるふみ)副会長(63)は「戸隠古道の価値が認められた」と喜ぶ。戸隠道を歩く外国人観光客が近年増えているとし「長い歴史が凝縮された戸隠の魅力を国内外に伝えていきたい」と話した。

 北国脇往還は、中山道と北国街道を結ぶため江戸初期に成立した約80キロの街道。郷原宿(塩尻市)などを経由、終点の善光寺宿(長野市)への参詣道としても利用され、現在も史跡が残る。

 沿線の住民ら約140人でつくる「善光寺街道協議会」は2008年の発足以降、歩いて史跡を巡る「巡礼歩き旅」などを開いている。会長の小瀬佳彦さん(55)=東筑摩郡麻績村=は「百選に選ばれることを一つの目標に活動してきた。全国的に知られるよう活動に力を入れていきたい」と今後を見据えた。

 今回、既に選ばれている「松本・千国街道」と「中山道・信濃路」では、構成される道に旧道などが追加された。

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