「オランウータンの森」の整備が進む雑木林。隣では屋内展示施設の建設も進む

「オランウータンの森」の整備が進む雑木林。隣では屋内展示施設の建設も進む

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オランウータンの新施設整備着々 長野市茶臼山動物園

信濃毎日新聞(2020年3月6日)

 長野市茶臼山動物園(篠ノ井有旅)で、絶滅危惧種オランウータンの飼育・展示施設の再整備が進んでいる。市は現在、屋外の「オランウータンの森」と、屋内展示施設を整備中。2020年度は繁殖に向けた施設も用意する。ただ、費用の一部を賄うために市民や企業などから募っている寄付は19年度の目標額にまだ達しておらず、協力を呼び掛けている。

 同園はオランウータンの雌2頭を飼育しているが、おりで囲まれた現在の獣舎は狭く、樹上で生活する生態も分かりにくい。オランウータンの森は、本来の姿に近い状態を見てもらうため、園内の雑木林を高さ4メートルの壁で囲んで整備。隣に建設する屋内展示施設には、土や植栽など自然の素材を取り入れる。

 繁殖に向けた施設は、隣接するツキノワグマ舎を改修する。将来、他園からオランウータンを迎えることを視野に、最大5頭を飼育できるようにする。いずれも21年度の早い時期にオープンする予定。ツキノワグマ用には現在のオランウータン舎を改修する。

 市は再整備に向けて市民らの寄付を積み立てる基金を18年8月に新設。18年度は2千万円の目標額を上回る2460万円が寄せられ、19年度のオランウータンの森整備に2100万円を充てた。

 だが19年度の寄付額は目標の1100万円に対し、現時点で約730万円。市は寄付者を、一緒に動物園をつくる「サポーター」と位置付け、限定イベントなども開いている。「新しい世代の命が生まれ、森で伸び伸び暮らせるよう支援してほしい」(公園緑地課)と呼び掛けている。

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