所在不明だった小林一茶の掛け軸。漢詩や俳句が記されている

所在不明だった小林一茶の掛け軸。漢詩や俳句が記されている

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一茶、漢詩の掛け軸あった 信濃町の記念館が展示

信濃毎日新聞(2020年6月17日)

 信濃町の一茶記念館が、地元出身の江戸時代の俳人小林一茶(1763〜1827年)が手掛けた作品のうち、大正時代の図録には記録があったものの、所在不明になっていた掛け軸を確認した。自作の漢詩や俳句が記されており、都内の男性から寄託を受けたという。同館は新型コロナウイルスの影響で休館していたが、今月2日の再開に合わせて展示を始めた。

 寄託された掛け軸は縦153センチ、横10・5センチと細長く、同館学芸員の渡辺洋さんも「珍しい形」と説明。書かれた七言絶句の漢詩は「機先を制するのは良いこともあれば、悪いこともある」といった内容だった。一茶は数多くの俳句を残したが、漢詩は「数えるほどしか作っていない」(渡辺さん)という。

 一方、俳句は「貰(もら)ふよりはやくうしなふ扇かな」など2句。いずれも一茶の句文集「おらが春」にも収められている。昨秋に寄託を受け、一茶研究で知られる上田市の矢羽勝幸・二松学舎大客員教授が鑑定した。

 掛け軸は1913(大正2)年発行の図録「一茶遺墨鑑(いぼくかがみ)」で写真付きで紹介されていた。図録に載っている中には他にも行方の分からない作品があるという。渡辺さんは、今後も作品が再発見されれば一茶の若い時期の足取りなどが分かるかもしれないとし、「残された多くの作品を通じて、一茶をさらに世の中に紹介したい」と話した。

 開館は午前9時〜午後5時で、入館料500円(小中学生300円)。問い合わせは同館(電話026・255・3741)へ。

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