登山者を救助するため涸沢の基地を出発する県警山岳遭難救助隊員=23日午後1時24分、松本市

登山者を救助するため涸沢の基地を出発する県警山岳遭難救助隊員=23日午後1時24分、松本市

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感染拡大、夏山救助に影 北ア涸沢

信濃毎日新聞(2020年7月25日)

 1日の新規感染者が23日まで2日連続で過去最多を更新するなど新型コロナウイルス感染が再び拡大し、シーズンを迎えた夏山で遭難救助に当たる隊員は例年以上の緊張感を持って臨んでいる。民間人で構成する県山岳遭難防止対策協会夏山常駐パトロール隊の北アルプス南部地区は涸沢の基地に詰める人数を削減。県警山岳遭難救助隊と連携する救助でも、遭難者には触れず後方支援に徹する。これまでより手間や時間がかかるため、登山者にはより一層の安全を心掛けてほしいと求めている。

 「行ってきます」「気を付けて」。23日午後1時半ごろ、涸沢にある涸沢山岳総合相談所から県警の隊員3人が出発。同パトロール隊北ア南部地区の吉田英樹隊長(65)らが見送った。涸沢からは今季初の出動。槍ケ岳に向かう槍沢で低体温症の症状を訴えている男性の救助に急いだ。

 昨年まではパトロール隊員が同行することもあったが、今季は同隊員の感染を防ぐため極力抑える。この登山者は幸い自力歩行でき、大ごとにならなかった。

 南部地区のパトロール隊員は今季14人。例年10人ほどが基地を置く同相談所に詰めるが、今季は密を避けるため5人程度。松本、安曇野両市在住の隊員は自宅を拠点に近くの登山口で指導に当たったり、日帰りでパトロールしたり。基地には、吉田隊長ら両市以外在住の隊員が詰める。

 遭難現場でも感染予防に最大限気を配る。要救助者に触れるのは県警の隊員だけ。支援などでその隊員に触れるのも県警の隊員に限り、民間のパトロール隊員は荷物運搬や救助後のルート工作に専念する。救助後、県警の隊員の荷物にも触れない。パトロール隊員が遭難者に遭遇した場合は、距離を取って体の状態を聞き取り、近くに非常用テントを置いて使わせるなどし、県警の隊員の到着を待つ。

 救助用装備には今季、マスクや消毒用アルコール、医療用手袋だけでなく、フェースガードや防護服代わりの予備の雨具も加えた。吉田隊長は「遭難救助のやりにくさが増している。登山者にはこうした状況を理解した上で、山に来てほしい」と話している。

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