県内バス事業者で長距離路線の新設、再開が相次いでいる。アルピコ交通(松本市)と長電バス(長野市)は9日、長野―野沢温泉間直行の特急バスを12月19日から来年3月28日まで共同運行すると発表。新型コロナウイルスの影響で訪日客がいなくなったのを受け、「GoToトラベル」による国内需要を取り込む。昌栄交通(同)は今月、新型コロナの影響で7月から運休していた長野―神戸線を再開。乗降できる停留所を増やし、利便性を高めて生き残りを図る。
長野―野沢温泉線はJR長野駅(長野市)から野沢温泉中央ターミナル(下高井郡野沢温泉村)まで毎日2往復運行。9月下旬以降、県内観光地で徐々に客足が戻りつつあり、運行を決めた。長野―白馬線も運行するアルピコ交通は「将来は長野駅を基点に訪日客に人気の白馬と野沢温泉を結びたい」としている。
JR長野駅発着の昌栄交通の長野―神戸線は従来、県内の停留所は長野市内だけだったが、松本駅(松本市)を追加。栄(名古屋市)とユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪市)にも設け、停留所を10カ所に増やした。従来通り週末に夜行バスを1日1往復運行するが、日中にも増便するか検討している。
同社の高速バスは長野―東京線もあるが、7月以降運休し、再開のめどは立っていない。担当者は「年末に(休業手当の一部を国が補う)雇用調整助成金が終了する場合に備え、徐々に運行を再開しなければいけない」と話した。