長野市の善光寺で19日深夜から20日未明にかけ、本尊の善光寺如来が年越しをする儀式「御越年式(ごえつねんしき)」があった。口伝えで引き継がれながら毎年12月第2の申(さる)の夜に行われ、同寺の正月行事で最も重要とされる儀式。境内は明かりが消され、僧侶たちが一足早く新年に向けて天下太平を祈った。
同寺浄土宗一山の住職らが20日午前0時までに本堂北東の御供所(ごくしょ)に集まり、秘儀に沿って祈願した。雪がちらつく午前1時半ごろ、白い装束を着けてちょうちんを持った住職らは御供所から本堂へ。本堂では天台宗一山の住職も加わり、善光寺大勧進の小堀光雄副住職が導師を務めて法要を執り行った。
その後、浄土宗一山の住職が18日に作った餅「おからこ」などを境内の東西南北に供える「四門固(しもんがた)め」も行った。
同寺事務局は今冬、新型コロナウイルス対策として初詣の分散参拝を呼び掛けている。