県信濃美術館を全面改築して名称を改めた長野県立美術館(長野市箱清水)が10日、開館する。信濃毎日新聞社など主催の完成記念展「未来につなぐ~新美術館でよみがえる世界の至宝 東京芸術大学スーパークローン文化財展」では、東西の仏教美術を精緻な復元技術で紹介する。
1949年に焼損した奈良・法隆寺金堂の壁画は、復元した12面を壁のように配置。現存する国宝・釈迦(しゃか)三尊像の復元像を中央に置き、寺の堂内のような空間を演出した。釈迦三尊像は古色を帯びた復元像とは別に、金メッキが施された当初の姿の復元像も本邦初公開する。松本透館長は「さんぜんと輝く仏像が祈りの対象だったことに思いを致してほしい」としている。
視覚以外での鑑賞も楽しめる作品を集めた企画「ふれてみて」は、新型コロナウイルスの影響で延期した。入館時は検温、アルコール消毒、マスクの着用を求める。開館時間は午前9時~午後5時。完成記念展の観覧料は大人1400円、大学生1200円、高校生以下無料。水曜休館。