福井県ゆかりの作家らにまつわる品々を紹介する県ふるさと文学館の新収蔵品展が、福井市の同館で開かれている。昨年度以降に同館が寄贈を受けた直筆資料など3千点以上を展示しており、作家らの創作活動や人柄を垣間見ることができる。6月13日まで。
終戦前後に旧三国町で活動した詩人三好達治が作詞し1948年に制定した三国高校歌の書幅を初公開している。歌詞は鉛筆や筆で加筆、修正しながら書かれており、豊かな自然を思い描きながら言葉を厳選して作詞したことがうかがえる。三好が愛用した竹製の釣りざおや、たんすも展示している。
今年没後25年を迎えた詩人で児童文学者の山本和夫さん(小浜市出身)の品は、詩集「虹のくに」「峠をゆく」の原稿や、花や仏像を題材にした絵画、世界各地で収集したフクロウの置物を並べている。
このほか、戦後の県内文学界の礎を築いた詩人則武三雄が色紙に書いた詩などの自筆資料や、書家で評論家の石川九楊さん(越前市出身)が発刊した自伝や講演の原稿も展示している。
入場無料。毎週月曜日と5月27日が休館。