佐久間象山の詩文と高井鴻山の絵の合作「除魔画賛」

佐久間象山の詩文と高井鴻山の絵の合作「除魔画賛」

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文化人・高井鴻山の人脈、紹介 小布施の記念館が春季展

信濃毎日新聞(2021年6月24日)

 小布施町の豪農商高井鴻山(1806~83年)の書斎などを保存する町内の高井鴻山記念館が春季展「高井鴻山(こうざん)と師友」を開いている。鴻山が京都や江戸へ遊学した際に関わった儒学者や絵師らの作品を紹介。文化人としての人脈の広さを伝えている。7月7日まで。

 同館によると、鴻山は15~31歳までに京都に2回、江戸に1回遊学。京都では絵師の横山上龍や岸駒(がんく)、詩人の梁川星巌、江戸では儒学者の佐藤一斎に師事し、多分野で研さんを重ねネットワークを広げた。堀込明紀館長(67)によると、商人など裕福な家は当時、子弟を江戸などに遊学させて「文化的教養を身に付けるのが通例だった」という。

 幕末の思想家で松代藩士の佐久間象山との合作「除魔画賛」は、上部に象山の詩文、下部に鴻山による色彩豊かな鬼が描かれている。岸駒作「虎図」は、立体感ある虎の姿を墨の濃淡だけで表現。他にも、長野を訪れた際に高井家に立ち寄った絵師や俳人の作品も並ぶ。堀込館長は「鴻山を通じて小布施にも各分野の第一線の文化が伝わっていたことを知ってほしい」。

 午前9時~午後5時。入館料は大人300円、高校生150円、中学生以下無料。会期中は無休。

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