昨年11月の星ケ塔遺跡の見学会。大勢が熱心に説明を聞いた

昨年11月の星ケ塔遺跡の見学会。大勢が熱心に説明を聞いた

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縄文時代の黒曜石採掘跡「星ケ塔遺跡」 下諏訪で初のツアー開催へ

信濃毎日新聞(2021年6月30日)

 縄文時代の黒曜石の採掘跡がある国史跡「星ケ塔遺跡」を積極的にアピールしようと、下諏訪町観光振興局が今夏、初めてのツアーを始める。一帯は原則立ち入り禁止で、これまでは年数回の見学会でしか見る機会がなかったが、近年の縄文ブームに着目。歴史を生かしたまちづくりにつなげたいとプランを練っている。

 東俣国有林内の標高約1500メートルにある遺跡は広さ3・2ヘクタール。星ケ塔産の黒曜石は遠く北海道など全国で見つかり、縄文時代の交流の広がりを考える上で重要とされる。2015年に国史跡、18年には遺跡を含む八ケ岳山麓の縄文文化が「日本遺産」となったが、同遺跡の見学は研究目的などに限られてきた。

 これに注目したのが、本年度から同振興局で働く元大手旅行会社社員の井上健太さん(33)。「縄文」に特化した旅行商品の人気は根強く、一般旅行のキャンセルが相次いだ新型コロナ下でも、縄文をテーマにした商品は継続的に予約が入った経験があった。

 「星ケ塔遺跡のことを知った瞬間、ツアーを開けば絶対にヒットすると思った」と井上さんは話す。

 遺跡では193カ所点在することが確認されている直径3~10メートルのクレーター状の採掘跡や、町教委が03年に調査した深さ約3メートルの採掘跡、散乱する黒曜石を見ることができる。その見学をメインに、遺物を展示する町の史料館「星ケ塔ミュージアム矢の根や」、諏訪大社下社、下諏訪宿などの探訪を組み合わせたコースを検討。黒曜石を使って食材を切る体験を取り入れたキャンプなども想定している。ツアー実施は8、9月ごろからを目指し、予約開始は8月以降を予定する。

 案内役は、星ケ塔遺跡の調査と保存活用に関わってきた町職員の宮坂清さん(56)が務める。「これまでの研究を社会に還元できる時が来た」とし、さまざまな人が遺跡などを巡ることで「遺跡の価値を高め、育てることになる」と観光資源としての遺跡活用に期待する。

 軌道に乗れば、諏訪地方全体の縄文文化にも視野を広げてツアーを考えたいという井上さんは「星ケ塔は全国の黒曜石のルーツの一つ。ツアーもきっかけに下諏訪をもっと盛り上げていきたい」と話している。

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