八ケ岳連峰の黒百合平(標高約2400メートル)で、クロユリが小さな花を咲かせている。草丈は5センチほどと小さいが、雑草に混じり、濃い紫色の花が存在感を放っている。
現地にある黒百合ヒュッテ3代目の米川岳樹(たけき)さん(50)によると、6月下旬から咲き始めた。鹿の食害から守るために張り巡らせた柵の中で、多く見ることができる。近くの登山道にもひっそりと咲いている。
愛知県から登山仲間4人と訪れた佐藤丈史(たけし)さんは「何度か来ているけど、咲いているクロユリを見るのは初めて」と写真に収めていた。山の夏は「本当に短い」と米川さん。8月になれば、もう秋の花々が咲き始めるという。