地元産の木材を多用した店内で薫製器を前に今後の構想を語る砂子さん

地元産の木材を多用した店内で薫製器を前に今後の構想を語る砂子さん

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薫製通じ里山を知って 7種の木材チップ活用、松本に専門店

信濃毎日新聞(2021年7月21日)

 松本市の飲食業砂子慎哉さん(45)が21日、ブナやナラ、クルミなどの7種類の木材チップで作った薫製を販売・提供する専門店「燻製(くんせい)工房KUNMARU(くんまる)」を同市中町通りに開く。猟友会員でもある砂子さんは、間伐が進まない山林や野生鳥獣被害などの課題を肌で感じてきた。「街の人にも里山への関心を寄せてほしい」との思いから、薫製を通じて地元の木々に触れる場をつくろうと意気込んでいる。

 店舗は、砂子さんが経営していたそば店約180平方メートルを改装。卵やナッツ類の薫製など約20種類が並ぶ。砂子さんによると、薫製は木材チップの種類によって香りが大きく異なる。ブナやナラはバニラのような香りが特長といい、甘みのあるドライフルーツに使用。チーズの薫製は、7種それぞれの木材チップを使った計14種類を商品化し、食べ比べができる。

 砂子さんは富山市出身。20年ほど前に松本市に移り住み、飲食店を経営してきた。知人らに猟友会員がいた縁で2017年度に狩猟免許を取得。会員の若手有志で県内外の人に狩猟や動物の解体の体験ツアーを開くなど、里山を知ってもらう取り組みを進めてきた。

 店内には薫製などを提供するカフェのほか、薫製作りの体験工房も備える。今後は、市内の林業会社と共同で地元産の木材チップを一般向けに商品化することも構想。砂子さんは「里山を利用したことがない人にも、街と山を行き来するきっかけが生まれる店にしたい」と話している。

 開店時間は午前10時~午後8時(金、土曜と祝前日は午後10時まで)。月曜定休。

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