縄文人の格好をして火をおこす県諏訪養護学校の生徒=12日午前10時15分、富士見町の井戸尻史跡公園

縄文人の格好をして火をおこす県諏訪養護学校の生徒=12日午前10時15分、富士見町の井戸尻史跡公園

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東京パラ採火、信州でもスタート 富士見では「縄文人」の衣装で

信濃毎日新聞(2021年8月13日)

 東京パラリンピックは12日、長野県を含む全国各地で採火が始まった。県内では10広域圏ごとに14日までに採火し、16日に長野市のセントラルスクゥエアに集める。共生や平和を願う思いを乗せ、聖火が東京に向かう。

 諏訪郡富士見町の井戸尻史跡公園では12日、町内の県諏訪養護学校高等部や境小学校の児童生徒ら12人が縄文人をイメージした衣装を着て、木の棒と板を使って火をおこした。同小6年の平出翔太郎君(11)は「火が聖火になるのはうれしい」と話した。

 県外では16日まで42道府県で採火。17~20日は競技会場がある静岡、千葉、埼玉、東京4都県での採火やリレーを行うが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で公道走行を中止・縮小する。最後は日本各地とパラ発祥の地とされる英国ストーク・マンデビルで現地時間19日に採火した炎が20日夜、都内の迎賓館で合流する。

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 県内各地で始まった聖火フェスティバル。それぞれの採火式会場では、各種競技に取り組むパラアスリートらが、大会に夢や希望を託してランタンに火をともした。

 「電動車いすサッカーは人生を悲観していた自分に夢や希望を与えてくれた」。飯田下伊那14市町村合同の採火式では、飯田市出身で電動車いすサッカー元日本代表の飯島洸洋さん(32)がランタンに火をともし、こう話した。採火式は同市福祉会館「さんとぴあ飯田」で実施。初夏に市中心部で行う「竹宵まつり」にちなみ、障害者らが装飾した竹灯籠から採火した。

 上田市の武石ともしび博物館では同市出身で2014年ソチ大会のアルペンスキー日本代表、山崎福太郎さん(29)と、19年に県障がい者スポーツ大会の陸上50メートル走で優勝した佐藤萌恵さん(22)らが採火。板の上で棒を回転させる道具「舞錐(まいぎり)」で火をおこした山崎さんは「大いに盛り上がり、選手が活躍してくれたらいい」と願った。

 下高井郡山ノ内町では、平和の丘公園の世界平和大観音に保管されている広島原爆の残り火の分火「平和の灯(ともしび)」から採火。同町夜間瀬の車いすマラソン選手、青木浩さん(46)は取材に、陸上競技に出場予定の樋口政幸選手が「一緒に練習した仲間」だったとし、「パラ選手はストイックですごい。大勢の人にテレビでも観戦して理解を深めてほしい」と期待した。

 松本市では、10月の全国障害者スポーツ大会に車いす卓球で出場する柏木杏さん(30)=松本市南松本=が市役所前のモニュメント「平和の灯(ともしび)」から採火。柏木さんは18歳の時に脊髄を損傷して下半身まひになり、10年前から車いす卓球を始めた。「どの選手も全力を出し切って勝負ができるよう願いを込めた」

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