パック詰めする犬飼さん。鼻を近づけると特有の匂いが漂う

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一足早くマツタケ出番 松本の直売所に続々

信濃毎日新聞(2021年9月9日)

 松本市の直売所に早くもマツタケが並び、売り場が秋の装いを見せている。お盆ごろに雨が多く、気温も下がったことが生育を後押ししたとみられ、8日には今季最多の入荷量となった直売所も。一方、既にキノコ採りに伴う遭難も相次いでいるため、松本署は「キノコを見つけても危険な場所には入り込まないで」と注意を促している。

 同市寿白瀬渕の直売所「アルプス市場」では今月初めからマツタケを販売。例年の売り始めは20日前後で、社長の犬飼浩一さん(55)は「こんなに早いのは初めて」。出足の良さがシーズンを通じた出荷量の多さに結び付くとは限らないが、「豊作を祈りたい」と期待を込める。

 いつも10人以上がマツタケを持ち込んでおり、8日は中信地方などで採ったマツタケが今季最多の約20キロ集まった。店内で足を止めてマツタケに見入る客も多く、犬飼さんは「かさが開いていると香りがいい」と助言。「親戚に頼まれて」と数パックをまとめて購入する人もいた。

 同市四賀地区の直売所「しののめの道バザール」でも8日は早朝からマツタケを求める客でにぎわい、開店後すぐ売り切れに。担当者は「去年は9月末にようやく売り始めた。こんなに早く入荷するのは珍しい」と話した。

 一方、松本署によると、キノコ採りの遭難は例年9月下旬~10月に目立ち、昨年の管内の遭難死亡事故は10月に起きた1件だったが、今年は9月7日時点で2件発生。「例年より(遭難の発生時期が)早い」とする。

 直売所関係者によると、マツタケの買い取り額は1キロ3万円に上り、半日ほど山にこもって3、4キロ採ってくる人も。マツタケ探しに集中して地面を向いて歩くため、滑落や熊との遭遇といった危険とも隣り合わせという。同署は、複数人で入山して一緒に行動したり、入山場所を事前に家族などに伝えたりするよう呼び掛けている。

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