下諏訪町の花岡凌さん(28)の写真展「北極にて」が13日、町観光施設「しもすわ今昔館おいでや」で始まる。写真で生計を立てようと思うきっかけとなった、カナダ・バフィン島沿岸の北極圏約600キロを歩いた2年前の旅で撮影した15枚を、当時の装備品とともに展示する。
旅のきっかけは、愛知県で会社員をしていた2018年。冒険家の荻田泰永さんが南極点無補給単独徒歩を成し遂げ、次の冒険について話す姿に感銘を受けたこと。荻田さんに連絡を取り、仲間入りを志願したという。
仕事を辞めて向かった北極圏では19年4月から2カ月弱、スキーを履き、重さ約60キロのそりを引きながら多い日は約27キロ歩いた。草木が一本も生えない大地や氷河で、切り立った岩山とオーロラを見た。会場には、こうした自然を捉えた写真が並ぶ。
「途方もない時間でできあがった岩山から感じる自然への畏怖。そういったものを写せる写真家になりたい」と花岡さん。帰国後はアルバイトをしながら暮らし、写真の依頼も増えてきたといい、まずは「多くの人に作品を見てもらいたい」と話している。
12月26日まで。入館料は大人600円、子ども300円。土・日曜日は花岡さんも在廊する予定。