御鉄塔が納められている多宝塔の前で御柱を建てる住民ら

御鉄塔が納められている多宝塔の前で御柱を建てる住民ら

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長さ6メートル 御鉄塔と並び立つ 諏訪の温泉寺で御柱祭

信濃毎日新聞(2022年10月31日)

 諏訪市湯の脇の温泉寺で30日、明治維新まで存在した諏訪大社上社「神宮寺」でご神体とされた「御鉄塔(おてっとう)」(市有形文化財)の御柱祭があった。檀徒(だんと)や住民ら100人ほどが参加して柱を曳行(えいこう)。御柱祭の日に合わせて公開される御鉄塔の近くに建てた。

 柱は長さ約6メートルのカラマツで、寺の周辺を曳行し、御鉄塔が安置されている温泉寺の多宝塔の前に運び込まれた。柱の先端を切り落とす「冠落とし」の後、クレーンを使って「建て御柱」を行った。柱を建てた後、御鉄塔が公開され、住民らが興味深そうに見たり撮影したりしていた。

 御鉄塔は石造りで、かつては神と仏を一体のものとして祭る文化「神仏習合」の象徴的存在だった。明治時代の仏教排斥運動に伴い、温泉寺に移された。温泉寺の滝瑞巌(ずいがん)住職は「新型コロナ下で、みんなで協力して御柱祭をできたことが尊い」としていた。

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