カートの導入に向けてコースの整備が進む「高遠しんわの丘ローズガーデン」

カートの導入に向けてコースの整備が進む「高遠しんわの丘ローズガーデン」

長野県 伊那路 花・紅葉

伊那市のローズガーデンに電動カート導入計画 移動負担を軽減、市内観光の魅力向上へ

信濃毎日新聞(2022年11月26日)

 伊那市は来春、同市高遠町のバラ園「高遠しんわの丘ローズガーデン」で電動乗用カートの導入を計画している。来年6月に全国29市町を集めて市内で開く「第32回ばら制定都市会議(ばらサミット)」に合わせ、420メートルの専用コースを整備。高齢者らの移動負担を軽減し、市内観光の魅力を高める。

 ローズガーデンは市の都市公園で、約1ヘクタールに約270種3千株のバラが植わる。毎年6月の「バラ祭り」は、新型コロナ感染拡大前は観光客ら約1万人が訪れてにぎわっていた。

 園内は高低差があって階段も多く、足腰が不自由な人が自由に散策するのが難しい。幅1・8メートルの専用コースは、既存の作業道を活用。園内の「バラ茶屋」周辺を発着点に園の外周を回る。電磁誘導線を埋設してコンクリート舗装し、自動運転でカートを走らせる。

 カートは5人乗りを3台用意し、5~10月に運行。コース上に数カ所の観賞スポットを設け、停車して写真撮影などを楽しめるようにする。利用料は1回(1時間以内)千円とする方針。

 コース整備費は約6千万円を見込み、市内に事業所がある精密機器製造の伸和コントロールズ(川崎市)からの寄付金を活用。来年3月に完成を予定しており、市高遠商工観光課は「利便性を高め、6月の見頃だけでなく通年で訪れてもらえるようにPRしたい」としている。

 市は25日開会の市議会定例会に、電動カート導入に関連する条例案や総額6億4500万円を追加する本年度一般会計補正予算案など20議案を提出。同園は来年3月まで工事のため閉鎖している。

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