高山村は、同村奥山田の山田牧場を1周する「環状ハイキングコース」を整備する。温泉や牧場を軸に村外からの誘客を図り、観光振興につなげる「高山村にぎわいの場構想」の一環。周辺の自然を生かしたアウトドア体験の場として、誘客につなげる。
村は2019年2月に構想に関する検討委員会を設け、村外からの集客につながる施設の整備について検討。施設の新設ではなく、村内の蕨(わらび)温泉や山田温泉など既存の施設を軸に観光振興を図る方針をまとめた。
この構想の一環で、20年には山田牧場入り口にあったホテル跡地を取得。植物の保護対策を求める地元の団体「奥山田野生植物研究会」と協議を重ね、跡地の西側に生態系保護エリア、東側に休憩所の整備を決めた。
村は、整備予定の休憩所を起点に、牧場東側の山中に笠ケ岳登山口へと通じる約1・5キロのハイキングコースを新設する。牧場周辺にある既存のハイキングコースとつなげ、県道豊野南志賀公園線(県道66号)を通って牧場を1周できるようにする計画だ。23年度中に整備に着手する。
村によると、山田牧場は現在、口蹄疫(こうていえき)対策で立ち入れないが、過去には牧場内にトレッキングコースがあった。地元住民に実施したアンケートで、牧場の放牧エリアを避けたハイキングコースの設置を提案する意見が複数上がったことを踏まえ、コースの整備を決めた。
村産業振興課は「北信五岳や北アルプス、麓に広がる善光寺平などの眺望が楽しめる場所もあり、昨今のアウトドアブームで集客が見込めるのではないか」としている。