天龍村は17日、JR飯田線の歴史をたどるパネルを村内の平岡駅が入る村観光施設「龍泉閣」に置いた。飯田線の前身の一つで、飯田市の天竜峡駅と愛知県新城市の三河川合駅を結んだ三信鉄道について写真などで紹介。飯田線を利用する観光客らに訪れてもらう狙いだ。
元村教育長の板倉恒夫さん(79)が10年ほど前に作ったパネルを基に、村が新調。現在と三信鉄道時代の写真を見比べられるよう工夫した。龍泉閣の2階には村の風景の中を走る飯田線のジオラマがあるため、その横に並べた。
この日は設置を記念した式典があり、永嶺誠一村長が「リニア中央新幹線ができても飯田線を残してもらい、都会の人に乗り換えてほしい」とあいさつした。
式典後には、パネルの写真などを提供した近くの元国鉄職員、野竹正孝さん(81)が「開通に最も尽力したのが(アイヌの測量技師)川村カ子ト(かねと)です」と説明。訪れた高齢の村民が「電車通学で使った」「満員電車で押しつぶされそうになった」などと昔話に花を咲かせていた。
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