下諏訪町の果樹園「松沢農園」は26日、町内で栽培したマルメロを使ったシロップ漬けの販売を始めた。商品のラベルは、同町に移住して画家として活動する山崎直人さん(42)が制作。マルメロと下諏訪町側から見た諏訪湖畔のイラストを描いてPRしている。
マルメロは江戸時代から諏訪地域で栽培されており、「カリン」として地域で親しまれてきた。同農園では昨秋、マルメロを約1・5トン収穫。主に加工用として諏訪市内の会社などに出荷してきたが、下諏訪町で栽培されていることを知らない人もおり、農園を営む松沢邦江さんが「町の特産としてPRしたい」と考えた。
松沢さんが、マルメロをシロップに漬けて柔らかくし、香りを高めるため地元産の日本酒を加えて瓶に詰めるレシピを考案。松本市の農産物加工組合に製造を委託し、今季は70個を製造した。
ラベルにはマルメロの果実や白い花が描かれており、山崎さんは「自分の絵がマルメロのアピールにつながればうれしい」。松沢さんは来年から徐々に生産量を増やしていく考えで、「諏訪地域以外の人にマルメロを知ってほしい」と話している。
365グラム入りで税込み1080円。諏訪大社下社秋宮(下諏訪町)前の観光案内所や、信州諏訪農協(本所・諏訪市)の岡谷市内の直売所で購入できる。