信州と三河(愛知県東部)を結び、阿智、平谷、根羽の3村と飯田市をつなぐ「中馬(ちゅうま)街道」周辺の民家や店舗で一斉にひな人形を飾る「中馬ぬくもり街道ひな祭り」が3月1日~4月2日に開かれる。地域おこしで始めた催しは17年目となり、近年は週末の催しを通して人を呼び込もうと工夫している。
中馬街道は江戸時代に物資の運搬に使われ、現在の国道153号に当たる。祭りは2007年に地域のにぎわいを取り戻そうと、3村の商工会が始めた。
今年は4市村の98の店舗・個人が参加。阿智村駒場地区の廃業した「下吉田屋商店」では20日、住民7人が地元で譲り受けた段飾りや京都の御所に見立てた「御殿飾り」のひな人形などを飾った。家主の塚田良子さん(72)は「また人が出入りするようになってうれしい」と話す。
参加飲食店では限定メニューを提供する他、駒場地区の古民家「つぼや」は着物を着た街歩きや弦楽のミニコンサートなどを開く。駒場地区自治会館では期間中、午前9時半~午後3時半に、中馬街道の絵図やパネルを展示して住民が歴史を解説する。
昨年までの実行委員長、原謙次さん(82)は「ぜひ車を止めて街を歩いてほしい」。地図やイベント情報を掲載したパンフレットを商工会や参加店舗で配っている。