出来上がった絵地図を広げ、制作を振り返る(右から)松下さん、井口さん、嶋田さん

出来上がった絵地図を広げ、制作を振り返る(右から)松下さん、井口さん、嶋田さん

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松川村の魅力知る絵地図 村内の女性3人、伝説ゆかりの場を紹介

信濃毎日新聞(2023年3月8日)

 松川村で店を開く女性3人が、松川の魅力を伝えたいと絵地図「安曇野・松川村の今昔絵巻」を作った。地元の伝説を切り口に、ゆかりの場所を紹介したのが特徴。歴史に思いをはせながら、のんびり散策してほしいと「おすすめルート」も掲載した。

 3人は革靴製造販売の松下彩さん(43)、パン店経営の井口由紀さん(50)、家具製造販売の嶋田ふみさん(44)。同村の西部山麓に移り住んで6~12年で、それぞれ夫婦で店を構えている。安曇野ちひろ美術館や道の駅を訪れた人に、もっと村内を回ってほしいとPR方法を一緒に考えた。

 嶋田さんは、散歩で見かけた銅像をきっかけに有明山にある天の岩戸伝説を知り、地域への理解を深めた。そうした経験などから「その場所にまつわる物語が加わると、魅力が増すのでは」(松下さん)と発想。3人で手分けして村誌や民話本などを調べ、天の岩戸伝説や、古代人の自然信仰、九州から渡ってきた安曇族の伝説にちなむ場所を選び、絵地図で紹介した。

 絵地図のイラストは大町市の知人に依頼。天照大御神(あまてらすおおみかみ)を岩屋から出した踊りの名手をまつった鈿女(うずめ)神社、竪穴住居を復元した桜沢遺跡などを描いてもらった。鼠穴(ねずみあな)の地名は安曇族が地元の仁科一族と戦った際、「寝ずに見張った」ことに由来するといった説も紹介。裏面には散策ルートと、取り上げた伝説の要旨を載せた。

 絵地図は、地域づくり活動への村の補助金15万円を活用してA3判を5千枚、A4判を2300枚製作。3人の店に置くほか、すずの音ホールなど公共施設に置いてもらう予定。小中学生に配布する計画もある。井口さんは「絵地図をきっかけに松川村を知ってもらえるといい」と期待。嶋田さんは「巡り歩きの催しを開きたい」と絵地図の活用法を考えている。

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信濃毎日新聞デジタル https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2023030800121
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