馬を引き連れて集落を練り歩く槻井泉神社の氏子ら

馬を引き連れて集落を練り歩く槻井泉神社の氏子ら

長野県 祭り・催し

「神の馬」30年ぶりに復活 「若い人、受け継いでほしい」と願い 塩尻市の槻井泉神社

信濃毎日新聞(2023年5月6日)

■詳しい資料なく、写真や記憶を頼りに

 塩尻市洗馬の槻井泉(つきいずみ)神社の例大祭は5日開き、神が馬に乗って集落を巡る「御神馬渡御(ごじんばとぎょ)」が30年ぶりに行われた。地区内外から見物人が訪れ、昔ながらの神事に見入ったり写真に収めたり。神社側や氏子は「大切な催しを若い人に受け継いでいってほしい」と願った。

 地元で馬を飼育する人がいなくなってから途絶え、近年はみこしで代用していた。神社創建1150年の記念行事として2020年に復活を計画したものの、新型コロナの影響で3年続けて開催を断念。ようやく実現にこぎ着けた。

 この日はのぼり旗を持った氏子や先導の巫女(みこ)ら約30人が列を作り、2頭の馬とともに神社から地元集落内へ。休憩や豊作を祈る舞を挟みつつ、4キロ余の道のりを3時間ほどかけて歩いた。紅白の布で飾られた馬の姿が見えると、道沿いで待ち構えていたお年寄りは「昔はこんな感じだったかなあ」、若い家族連れは「雰囲気があるね」と話していた。

 御神馬の運営に関する詳しい資料は残っておらず、写真や住民の記憶を頼りに再現した。氏子総代長の小幅敏彦さん(68)は、費用面から毎年の開催は難しいとしつつ、「若い人に覚えてもらえるとうれしい。節目に復活させるなど何とか受け継いでいってほしい」と話していた。

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