■児童や保護者の声踏まえ決定
長野県飯山市北部の城北中学校の校区にある4小学校を統合する新校の校名案を巡り、市教育委員会は24日、当初示した「飯山虹の丘」を撤回し、隣接する城北中学校と同じ「城北」を最終案にすると明らかにした。飯山虹の丘には「地域性が感じられない」といった異論が上がっており、これに押されて変更した形だ。
市教委は今年2月、「7地区からなる校区の子どもたちが一つにまとまって輝いてほしい」との願いを込め、飯山虹の丘を校名案として公表。だが市内に「虹の丘」という地名はなく、市教委には選定経過も含めて疑問や批判の意見が寄せられていた。
市教委はこうした状況を受けて4~5月、飯山虹の丘のほか、市民からの要望が多い「城北」を選択肢としたアンケートを実施。校区の児童や保護者ら計516人から回答があり、72%に当たる372人が城北を希望した。飯山虹の丘は103人(20%)で、その他(自由記述)が8%だった。
市教委はアンケート結果を踏まえ、市教委や学校関係者でつくる開校計画推進会議で、城北を校名の最終案にすると決定。地域になじみがあり、城北中学校との小中連携教育を行うのに一体感がある点も理由とした。
松木英文教育長は24日の記者会見で、「案を検討する初期段階で地域の人の声を丁寧に聞いておけば、(方針について)理解されていたのではないか」と反省を口にした。市教委は、市議会6月定例会に校名案についての関連条例案を提出する方針だ。
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〈新校の校名を巡る主な経過〉
2022年8~10月 校名を公募。小中学生や一般から計149案が寄せられる
12月 校名を審査する開校計画推進会議の分科会で10案に絞った後、「飯山虹の丘」を選定
23年2月 飯山虹の丘を校名案として公表
3~4月 市教委が市民から意見を募り、メールや書面で70件寄せられる
4月24日~5月10日 児童や保護者を対象にアンケートを実施。「城北」が約7割を占める
5月24日 校名案を城北に変更すると公表
6月8日 関連条例案を市議会6月定例会に提出予定
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