パーティションで仕切られた北沢峠こもれび山荘の寝室=同山荘提供

パーティションで仕切られた北沢峠こもれび山荘の寝室=同山荘提供

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山小屋、ゆったり過ごせるスペース 感染対策から快適さ確保へ 中央・南アルプス、宿泊人数絞った運営継続

信濃毎日新聞(2023年6月2日)

 夏山シーズンに向けて山開きが進む中、中央、南アルプスの山小屋は今季も宿泊人数を絞った運営を続ける。新型コロナウイルス下で密集を回避しようと受け入れ人数を減らしてきたが、ゆったり過ごせるスペースは登山客に好評。プライバシーへの観点から寝室の仕切りの設置も継続する。一連の感染対策が快適さへの配慮から定着しつつある。

 新型コロナ流行前の山小屋は「雑魚寝」が一般的。南アで北沢峠こもれび山荘と仙丈小屋を管理する第三セクター伊那市観光の狩野俊一さん(44)は「繁忙期は2枚のマットレスで3人が寝る光景もあった」と振り返る。しかし、新型コロナの流行で2020年は多くの小屋が休業。同社の4軒、宮田観光開発(宮田村)の3軒は21、22年、宿泊人数を定員の5~7割に抑えて営業した。

 定員100人だったこもれび山荘は受け入れを65人程度にしたところ、宿泊者に好評だった。パーティションで個々のスペースを仕切ったことにも、「プライベートな空間が一定程度確保されて快適」との声が寄せられた。新型コロナと共存する「ウィズコロナ」も踏まえ、両社は今年も感染対策の継続を決定。駒ケ根市の中ア檜尾(ひのきお)小屋は、有人営業を始めた昨夏と同様に定員23人で営業する。

 こもれび山荘は4月に今季の営業を開始。狩野さんは「山小屋は昭和の登山のイメージのまま運営してきたが、プライベートな空間が重視される現代に合わせて変わっていく必要があるのかもしれない」と話している。いずれの山小屋も入り口への消毒液の設置は継続。登山者の緊急避難も従来通り受け入れる。

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