南アルプス北部の登山道整備や遭難者救助に尽力した竹沢長衛(ちょうえい)(1889~1958年)をしのぶ「第65回長衛祭」は17日、伊那市・山梨県南アルプス市境の北沢峠(2032メートル)で開いた。山岳関係者や登山者ら約80人が出席。長衛の顕彰碑前で献花し、夏山の安全を祈った。
両市や伊那山の会などでつくる実行委員会が主催。実行委員長で県山岳協会顧問の唐木真澄さん(79)=伊那市西春近=は「晴天に恵まれ、開催できてうれしい」とあいさつ。取材に対し、一般登山者に南ア北部登山の門戸を開いた長衛の功績をたたえる一方、「梅雨の時季なので登山の際は雨に気をつけ、準備もしっかりしてほしい」と注意を促した。
式典後、伊那市長谷小学校の6年生ら約15人が仙水峠に続く登山道を散策。沢でイワナを見つけたり、葉の色や形を見てお気に入りの木を探したりしながら約3時間のトレッキングを楽しんだ。6年の倉田晄希(こうき)君(11)は沢を流れる水に指先を入れ、「めっちゃ冷たい」。登山は初めてといい、「自然と触れ合えて楽しかった」と笑顔で話した。