諏訪市の北沢美術館でガラス作家の田中有希さんと静観(しずみ)朋恵さんの企画展「気配」が開かれている。2人とも粘土やワックスで作った原型を耐火石こうなどで型取りし、ガラスを詰めて鋳造する「キルンキャスト技法」で制作。動物作品を中心に田中さんの作品45点と静観さんの作品96点を並べた。
田中さんの作品は、桟橋に腰かけるペリカンや壁に落書きをするラクダなど「人を動物化」したような人間味あふれる動物たちが特徴。一方、静観さんの作品はウサギや鹿の頭部など白を基調とした作品で、静かで神秘的な雰囲気を醸し出している。
美術館によると、2人は富山市内の専門学校の同級生で、共同で展覧会を開くのは今回が初めて。「気配」というテーマは、作風の異なる2人の作品が気配を通して「漠然とつながっている」ことを表現しているという。
7月23日まで。学芸員の伊東宏実さんは「一つ一つの作品だけでなく、作品同士が生み出す物語や空間も楽しんでほしい」と話している。大人千円、中学生500円、小学生以下無料。会期中無休。