中央アルプスの経ケ岳(2296メートル)で高山植物の保護活動をしている長野県上伊那郡南箕輪村の「経ケ岳友の会」の会員4人が18日、ニホンジカによるササユリの食害対策の成果を確認しようと山頂近くまで登った。鹿の侵入を防ぐ柵で囲ったり、忌避剤をつり下げたりした箇所では着実に成果が見られ、ピンク色の花をしっかりと咲かせていた。
村内外の有志ら30人ほどでつくる同会は2021年に食害を見つけ、鹿がにおいを嫌がるヒトデを使った忌避剤を設置。今年6月に山頂の手前の10メートル四方を高さ2メートルのネットで囲った。柵の内外を見回ったところ、外側は約3割がつぼみを食べられていたが、内側は全て守られ、所々で花が開いていた。
伊藤洋一副会長(70)=伊那市西箕輪=は、繁殖力旺盛なササを刈った効果でササユリが年々増えていると説明。「花が増えると、食べる鹿も増える。成果を踏まえ、しっかりとした来年の計画を立てたい」と気を引き締めた。
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