能登の中高生が、地元産品を手軽に味わい、魅力を知ってほしいと菓子店、パン店と連携して商品化に取り組んでいる。羽咋市羽咋中2年の西陽花さん(14)が「柴垣天然わかめ」を練り込んだスティックパイを開発、穴水高2年生は能登産の牛乳を使ったメロンパンを考案した。それぞれ月内に販売される予定で、能登に足を運ぶきっかけになればと期待している。
●柴垣わかめでパイ 羽咋中・西さん
「柴垣天然わかめ」のスティックパイを作った西さんの祖母久子さん(73)は、県漁協柴垣支所に長年務めた名物事務員で、2021年にワカメを乾燥させた「柴垣天然わかめ」の特産化の取り組みを始めた人物でもある。
西さんは27、28日に洋菓子店「シャルドン」(兵庫町)で職場体験した際、店主の岡島一芳さん(76)にワカメを使ったパイができないかと相談。柴垣出身の岡島さんは「地元を盛り上げたい」と快諾し、ワカメ本来の風味や香り、サクサクとした食感を楽しめるスティックパイに仕上げた。
3月で退職した久子さんへの感謝の気持ちを込め、「ばあちゃんのわかめパイ」と名付けて、8月中に道の駅などで発信しようと準備を進めている。
西さんは「ばあちゃんが一生懸命発信してきた柴垣産ワカメを味わってほしい」と話し、完成したパイを味わった久子さんは「ワカメの塩分が程よく、おいしい」と笑顔を見せた。
●地元牛乳でメロンパン 穴水高の4人
穴水高2年生の4人は、総合的な探究の時間で地域課題の解決に取り組む中、能登産の牛乳を使用したメロンパンづくりを進めた。能登の食材を利用して、のと鉄道の沿線を活性化させることをテーマとし、校内アンケートで人気があったメロンパンの商品化を決めたという。
製造は町内唯一のパン店「ベーカリーH&M」(川島)が手掛け、「極上ミルクメロンパン」として1個300円で販売する。
取り組みは県教委の企業と連携した教育推進事業の一環で、生徒4人は31日、町役場で吉村光輝町長にメロンパンを試食してもらった。
8月25、26日の同校文化祭のほか、穴水町内のイベントでも並べる計画で、2年の天内葵さんは「何度も改良して大変だったけど、メロンパンを食べに穴水に来てほしい」と話した。