長野県上水内郡信濃町の「もろこし街道」で、夏の名物焼きトウモロコシが盛況だ。夏空が広がった2日、香ばしいしょうゆの匂いに誘われた観光客が汗をかきながら、美しく並んだ黄金色の粒を頬張っていた。
街道沿いで直売する石川農園では、皮が薄くて甘みが強い品種「どきどきコーン」を栽培。県内外から訪れた客が焼きたてを買い求め、土産用に数十本まとめて購入する人も。同農園によると、新型コロナウイルスの法的位置付けが「5類」に引き下げられたこともあり、観光客の増加を実感しているという。
65年間店頭でトウモロコシを焼いている石川博枝さん(99)は「お客さんがおいしいと言ってくれることがうれしくて働いている。今年も甘みは十分だよ」。富山市から毎年訪れている牧たつ子さん(72)は「これを食べたら夏だなと思える。本当に甘くておいしい」と笑顔で話していた。同農園では9月中旬まで販売する。1本320円。