長野県下伊那郡豊丘村の道の駅「南信州とよおかマルシェ」のレストラン棟が改装を終え、27日に「菜園ビュッフェレストランベジフルキッチン」としてオープンする。地元農家から野菜や果物を直接仕入れ、ビュッフェ形式で提供。観光客に地元農産物をアピールする。農家の販路を拡大し、経営意欲を支える効果も狙う。運営を担う村観光協会は「新鮮な野菜を食べ、一人一人の生産者が支える農業の価値を感じてほしい」としている。
村内を中心に54農家が登録。果物、生野菜、ゆで野菜など常時約30種類を提供し、旬に応じて入れ替える。メイン料理のカレーやパスタ、ピザなどとともに90分コース(一般2千円、小学生千円)などで提供。別途料金のオプションとして、村内産マツタケの提供も予定する。
21日には生産者らを招いた試食会があった。野菜を並べたテーブルには、提供した農家の名前を掲げた。店への提供を見越して今年から野菜の作付面積を増やしたという木下延夫さん(73)=豊丘村=は「地元の野菜をたくさん出したい。生産者として店に期待している」と話した。
レストラン棟では2018年4月から、道の駅を運営する第三セクター「豊かな丘」が「kitchenそらら」を営業してきた。同社がシェフの退職などを理由に撤退を希望したため、村は指定管理者を村観光協会に変更してリニューアルを計画。レストラン棟は改装工事のため、今年6月から休業していた。
同協会事務局長の長谷川雅(まさし)さん(45)は「仕入れ先は小規模農家が多い。農業を続ける意欲が高まれば、遊休農地の増加を防ぐことにもつながる」と話している。問い合わせはベジフルキッチン(電話0265・48・8063)へ。