茅野市蓼科高原を晩年の仕事場とした映画監督小津安二郎(1903~63年)にちなんだ「第26回小津安二郎記念・蓼科高原映画祭」が23日開幕し、市内の新星劇場でオープニングセレモニーが開かれた。10月1日までの期間中に30作品を上映予定で、小津の生誕120年に合わせた写真展やトークショーなども企画している。
映画祭組織委員長の今井敦市長はセレモニーで「市民や映画ファン、ボランティアの皆さんのおかげで成り立っている。無事開催できてうれしい」とあいさつ。続いて小津が蓼科高原の山荘で構想を考えた監督作品「小早川家の秋」を上映し、約80人の観客が小津映画の世界を楽しんだ。
今年の映画祭は小津の生誕120年に合わせ、例年1、2本程度だった小津作品を6作品上映。30日にはゆかりの映画監督や俳優によるトークショーも企画している。茅野市民館と蓼科湖畔にある観光複合施設「蓼科BASE(ベース)」では写真展も同時開催する。
新型コロナ対策の入場制限を撤廃し、4年ぶりに従来の形式で開催。新星劇場はボランティアによる恒例のポップコーン配布も復活し、来場者でにぎわった。ボランティア6年目の池上千賀子さん=伊那市=は「映画祭を途絶えさせないようにコロナ下の3年間を頑張ってきたので、にぎやかな映画祭になってうれしい」と話していた。
チケットは茅野市民館や新星劇場で購入でき、前売り券800円、当日券千円。問い合わせは市観光課(電話0266・72・2101)へ。