きらびやかな衣装で熱演する大鹿中の生徒

きらびやかな衣装で熱演する大鹿中の生徒

長野県 伊那路 祭り・催し

歌舞伎役者も黒子も中学生 伝統の公演会、熱演に沸いた大鹿村

信濃毎日新聞(2023年10月2日)

 長野県下伊那郡大鹿村大鹿中学校は1日、全校生徒18人が役者や黒子として携わる歌舞伎公演会を、同校体育館で開いた。同校は江戸時代から伝わる地芝居「大鹿歌舞伎」の地元として総合学習に歌舞伎を取り入れており、公演会は集大成となる。きらびやかな衣装を着た生徒たちは、歌舞伎独特のせりふ回しや所作に挑み、約1時間にわたって熱演。約80人の観客からかけ声やおひねりが飛び、会場は盛り上がりを見せた。

 上演したのは、大鹿歌舞伎でも披露される演目「鎌倉三代記 三浦別れの段」。北条時政の娘でありつつ、敵対する三浦義村を愛した時姫が、2人の板挟みで苦しむ悲劇を軸にした内容だ。

 2、3年生を中心に8人が役者として出演。三味線と語りで物語を進める「太夫(たゆう)」は、大鹿歌舞伎にも出演する北村尚幸さん(63)が務めた。他の生徒は黒子として、開演前の粗筋の解説や、舞台装置の転換などを担った。

 時姫を演じた多田春嶺(はるね)さん(14)=3年=は「大鹿中の生徒しかできない体験。感情をうまく表現できた」と満足そう。クライマックスで登場した佐々木高綱役の木村響さん(14)=同=は「舞台では頭が真っ白。演じる面白さも大変さも分かった」と話した。

 大鹿中の歌舞伎学習は1975(昭和50)年にクラブ活動として始まり、受け継がれてきた。生徒たちの演技指導も担った北村さんは「大鹿歌舞伎の後継者を育てる場にもなっている」と話していた。

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信濃毎日新聞デジタル https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2023100100640
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