富士見町の日帰り温泉施設「ゆーとろん 水神の湯」が温泉事業着手から30周年記念で、施設ゆかりの竜神伝説と新年の干支(えと)「辰(たつ)」にちなんだ初のマスコットキャラクター「りゅーとろん」を考案した。諏訪地域に伝わる水神・竜神伝説を広める機会にしようと商品展開を計画している。
デザインは2023年6~9月に公募。全国から649点の応募があった。案を絞り、利用者の投票で東京都内のイラストレーターの作品に決まった。竜のしっぽと角のある女の子で、うろこ柄の浴衣がチャームポイントだ。
運営会社が1994年12月に温泉事業に着手し、95年12月に同施設を開業。施設によると、開業前、創業者が地域で忘れ去られていた水神のほこらもやぶから見つけ出して整備し、例年11月には祭事も行っている。
諏訪地域では各地で竜を水神として祭る文化があり、温泉施設周辺にも「水神下」という地名が残る。施設は地域の文化や人々の思いを伝えよう―とキャラクターを企画したといい、スタッフの一戸(いちのへ)さおりさんは「この地域で竜が信仰されてきたことを知ってもらうきっかけになればうれしい」と話している。
施設では今月中旬から、りゅーとろんをデザインしたタオルなどを販売する予定。