飯田市でラーメン店「ふたつ矢」などを経営する「岳」は10日、泰阜村特産で信州の伝統野菜に選定されている「源助かぶ菜」をトッピングした博多豚骨ラーメンを村内の企業で働く人や住民に販売した。地域の食材を発信しようと考案。今月末までふたつ矢でも味わえる。
村内の家庭では源助かぶ菜を漬物にした後、日がたって味が変わってくると、ごま油で炒めて食べる習慣がある。昨年、村内にキャンプ場をオープンした同社の北原広康社長(43)がこうした習慣を聞き、博多豚骨ラーメンに載せる高菜を、炒めた源助かぶ菜の漬物に置き換えた。
この日はキッチンカーで100食を販売。近隣住民や昼休みの会社員らが列をつくり、「かぶ菜のごま油が利いておいしい」「ピリ辛だね」と麺をすすった。祖父の代から源助かぶ菜を育てている岡本浩三さん(86)は「高齢化で生産者が減っているが、どんどん使って広めてくれるのはうれしい」と話した。
北原社長は「自分たちの世代が地域食材の価値に気付き、発信することで途絶えないようにしたい」とした。ふたつ矢で1杯737円(税込み)で販売している。