江戸時代中期に建てられた阿南町和合の県宝「宮下家住宅」で19日、土びなの展示が始まった。幕末から昭和20年代にかけて三河、美濃地方で作られ、和合では子どもが生まれたときに贈られてきた。現在の当主の宮下金善さん(70)と妻澄子さん(69)は「和合の文化を知ってほしい」としている。3月10日まで。
ひな人形や桃太郎、花魁(おいらん)などの計36体が並ぶ。型に粘土を詰めて作られ、温かみのある色合いや素朴さが特長。土びなの調査を続ける澄子さんによると、土びなは三州街道(現在の国道153号)を通って和合に伝わったが、同じ街道沿いの阿智村では確認されていないという。
午前9時~午後3時に見学できる。見学前に住宅隣の宮下さん宅へ声をかける。3月4日午前には和合で作られた洋菓子や抹茶を楽しむ催しもある。予約は宮下さん(電話0260・31・0007)へ。