天龍村地域おこし協力隊員で農家の篠田大樹さん(33)が、後継者不足に悩む地域のお茶栽培を遠方からも応援してもらおうと「茶畑オーナー」を募集している。出資すると中井侍(なかいさむらい)地区のお茶が届き、茶摘みなどを体験できる。管理できずに放置される茶畑は年々増えており、篠田さんは「外の力も借りて(茶畑の広がる)景色を守っていきたい」と話している。
篠田さんは2019年に協力隊員に着任。高齢で引退した村内のお茶農家から畑を引き継ぎ、「なかや農園」の名で栽培している。本年度末に協力隊を卒業するが、栽培を続ける計画だ。
お茶栽培を持続可能にしようと、昨年4月にオーナーの募集を始めた。東京や長野市で発信し、これまでに関東地方などの10人がオーナーになった。ただ、高齢のため栽培を縮小する農家の畑を新たに引き受けており、経営を安定化させるためにもオーナーを増やしたいという。
オーナー制度は年1万4千~4万5千円の会費に応じて、年2~4回、緑茶や紅茶を届ける。中井侍で苗を植える体験の特典の他に、茶摘みや手もみ製茶を体験できるプランもある。草刈りや肥料まきなど「人手が足りない作業も協力してもらえるとありがたい」とする。
これまで訪ねて来たオーナーは、JR飯田線中井侍駅近くの段々畑で茶摘みをしたり、畑の中にあるウッドデッキでお茶を味わったり。「鳥のさえずりを聞いてぼーっとしているだけでも楽しい」と話す参加者もいたという。
25日に長野市西後町の「R―DEPOT(アールデポ)」で午後1~4時にお茶や菓子を味わい、村やオーナー制度について紹介するイベント「中井侍銘茶Day」を開く。参加希望者は篠田さん(nakaya.farm72@gmail.com)へ予約を。飛び入り参加もできる。問い合わせは村地域振興課(電話0260・32・1023)へ。