おひねりが投げ込まれた「田立歌舞伎保存会」の舞台

おひねりが投げ込まれた「田立歌舞伎保存会」の舞台

長野県 伊那路 祭り・催し

農村歌舞伎祭、伝統芸能を次世代へ 伊那市で4年ぶり開催 南木曽町、大鹿村、下條村の保存会が出演

信濃毎日新聞(2024年2月26日)

 県内に伝わる歌舞伎を楽しむ「第15回信州農村歌舞伎祭」(県伊那文化会館主催、信濃毎日新聞社など共催)が25日、伊那市西町の県伊那文化会館であった。各地に伝わる歌舞伎を一堂に集め、伝統芸能を次世代につなごうと毎年開いていたが、新型コロナウイルスなどの影響で過去3年は中止。4年ぶりの開催となった今回は県内の3団体が出演し、観客約650人が熱演に見入った。

 南木曽町の田立歌舞伎保存会、大鹿村の大鹿歌舞伎保存会、下條村の下條歌舞伎保存会が出演した。田立歌舞伎保存会は「絵本太功記(たいこうき)十段目 尼崎閑居(かんきょ)の段」を上演。主君の小田春永(織田信長)を討った武智光秀(明智光秀)と、その家族の苦悩が描かれる。光秀は敵対する真柴久吉(羽柴秀吉)と間違えて母親を竹やりで刺してしまう―という粗筋だ。

 観客は光秀が竹やりを手に忍び寄る緊迫の場面や、刺された母と、戦場から戻った光秀の息子が息を引き取る場面に見入った。母と子を失いながらも、光秀が久吉らと戦場での再会を約束する終盤では、多くのおひねりが飛んだ。

 軍兵役で出演した南木曽町南木曽小学校4年の松川煌貴(こうき)君(10)は「緊張したけど、せりふがちゃんと言えた。80点台の出来栄えで満足」と表情を緩めた。母親のみさ子さん(36)は「衣装とお化粧をしてもらい、雰囲気がぐっと出ていた。練習通りできていた」と話した。

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信濃毎日新聞デジタル https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2024022500414
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