上田女子短大(上田市)の学生有志9人が10月1日から、上田市の上田電鉄別所線を走る電車内でボランティアの観光ガイドを始める。同線沿いの観光スポットや特産物を紹介し、沿線や地域の活性化を目指そうと上田電鉄が企画した。学生らは実際に乗車し、はかま姿でガイドのリハーサルをするなど準備を進めている。
ガイドは土、日曜日や夏休みなどを対象に、1日3本の車両で予定している。上田駅を出発して終点の別所温泉駅に着く間に、車内で乗客に上田市の観光情報を提供する。学生らは、今回の企画のために上田電鉄が新調したはかまを身に着け、2人一組で乗客を楽しませる。ガイドの内容は、7月ごろから学生らが沿線の観光名所を回ったり、資料を読んだりして自分たちで作った。
今月21日には乗車してリハーサルに臨み、話し始めるタイミングや声の大きさなどを確認しながら練習を重ねた。駅と駅の間を走る時間内で地域の特色を紹介するのが難しいといい、途中で予定していた内容が終わってしまって沈黙してしまう場面もあった。
2年の金子ちづるさん(24)は「ガイドの長さや内容の充実が課題だが、観光客に上田を知ってもらうのはうれしいし、楽しい」と話す。
10月1日は、午前10時5分上田駅発の車内でガイドを始め、午前に2本、午後に1本を予定。以降は、学生のスケジュールを考慮して日程を調整していくという。上田電鉄の今成孝雄社長(60)は、別所線は別所温泉に行くためだけに使う観光客が多いとし、「温泉までの道中にも魅力があることを知ってほしい。学生にとっても良い社会経験になるはずで、ガイドが別所線の名物になればいい」と期待している。